2011年4月17日日曜日
【読書メモ】【ファイナンス】金融工学の悪魔
複雑?な金融工学
ポートフォリオ理論やデリバティブ、ブラックショールズ公式などを始め、金融工学の分野では高等数学を駆使しており、一般の人では理解することが困難である.高等数学やコンピュータを駆使して金融取引の際に計算を複雑にするということを実用面に応用するのは大いに問題だ、とするのが本書の基本的立場なので、本書では一見すると複雑で理解しがたい金融工学の分野を解き明かし、経済的な意味合いを確認していく.
本書でもっとも印象的なパートは、ブラックショールズ公式を用いずオプション価格を導出するところだ.単純な四則演算なので、意味を確認しやすい.さらにオプションを組み合わせた金融商品などもどのような仕組みになっているのかも直感的に理解できる.金融工学を勉強する前に、このような本を読んでいれば、理解しやすい.
著者は、「出社が楽しい経済学」で有名な吉本先生.経済学者ならともかく、一般の人では金融の世界でいったい何が行われているかを正確に把握することはできないだろう.この本を読めば、そんな疑問も解消される.金融工学の複雑な世界のエッセンスのエッセンスを抽出したのが本書である.
本書で金融取引で行われている経済現象を理解して、金融工学の数学的手法や統計的手法をマスターすれば、スムーズに実務面で活用できるのではないだろか.
目次
第一章 リスクのない資産はない
第二章 デリバティブは妖怪じゃない
第三章 個人のためのファイナンス講座
第四章 応用と実践のファイナンス
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