政治家のかけひきや会社での人間関係など、社会の中で解決したい身近な問題はたくさんある.本書は、そうした問題を「ゲーム」としてとらえ、その問題の構造を俯瞰的に見ることで、より質の高い思考をし問題の解決を目指すことを目的としている.
本書では以下のようなゲームが紹介される.
囚人のジレンマ/コーディネーション・ゲーム/チキンゲーム/マッチング・ペニーズ/ホテリング・ゲーム/ダイナミック・ゲームである.また本書の最後で、行動経済学的な観点をプラスしたゲーム理論が簡単に紹介される.
こうしたゲームの構造を理解することで、
⑴問題の全体像を把握し、⑵将来にどのようなことが起るかを予想し、⑶ゲームのどの部分が改善されれば問題を解決できるかを
知ることができると筆者は主張している.
ビデオ戦争やキューバ危機、ラーメン店が駅前に集中する理由、バブルなど豊富な具体的な例を挙げながら、ゲーム理論がこうしたことにどのように答えるのかが丁寧に説明されている.実社会で経済理論がどのように活用されるのかを示す良書である.
明日から本書の思考法を真似したくなること間違いなし.
0 件のコメント:
コメントを投稿