2012年3月5日月曜日

【読書メモ】【行動経済学】誘惑される意志

去年の夏に図書館で借りて、去年の秋に購入した「誘惑される意志」.ゆっくり読んでもあまり理解できずに本棚にお眠りになっていたけど、双曲線割引についてもっと理解せねばということで、また読んでます.今度こそ!という思いで、ブログに書いて何とか続けようと努力しているわけで…

章ごとに感想とかまとめとかを書いていきます.

筆者は精神科医のジョージ・エインズリー.

行動経済学の論文にはよく登場するみたいで.
秋に読んだBenabou and Tirole(2004)にもばっちり引用されてました.
始めて勉強したときは、こんなことを経済学で説明できるのか、と思いました.

第一章 はじめに

副題にもあるように、人はなぜ自滅的行動をするのか、っていうのが本書のテーマ.
第一章には自滅的な行動をしてしまう、ことについての観察や研究が書かれています.
また、その学問領域も紹介されています.

自滅的な行動の小史/自滅的な行動の研究方法
経済学専攻なので、主に経済学や効用理論のところを重点的に見ているのですが、認知主義や精神分析、神経生物学などさまざまな切り口から人間の意志についての研究の概要が簡単にまとめられていて、とても興味深いです.

気になった経済学の説明は…
エインズリーの経済学の合理的意志決定の説明
合理的な意思決定:選択肢の熟考の結果/外部の財に基盤/新しい情報がない限り安定
非合理的な行動の理由:不適切な情報/将来の大幅な割引

「外部の財に基づかない(頭の中の内的な報酬と結びつかない)」と書いているけど、これってどういう意味でしょうか?

人間の行動は何らかの欲求や要求を満たすために起こっていて、その欲求(要求)の対象が「外部の報酬」にあれば外発的動機づけと呼び、欲求(要求)の対象が『内部の価値観(興味関心)』にあれば内発的動機づけと呼ぶそうです.

外的な、と言われると例えば政府の政策のようなものを想像します.
こんな行動をしたら報酬がもらえますよ、とか罰せられますよとか.
子ども手当なら(実際はそうじゃないかもしれないけど)子どもの数が増えればお金がたくさんもらえるから、子どもたくさん作りましょう!っていうのが、外的な報酬の例でしょうか.

一方、内的な、と言われると、よく学校教育で叫ばれているような「自律」とか「能動的に学びましょう」っていう言葉を連想します.
その行動自体に興味関心を抱き、目標を達成していくことに喜びを感じる、というのが内的な報酬のイメージになるでしょうか.

本書では、「自滅的な行動」の理由として、経済理論の不合理性の理由では不適切であることを紹介しています.

0 件のコメント:

コメントを投稿